日本小動物獣医師会
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2006年年次学会


 鳥インフルエンザ対策について 学校飼育動物対策委員会(2005.1)
学校飼育動物対策委員会 (動物介在教育支援活動)

  昨年12月の新聞紙上に、「京都の鳥インフルエ ンザで人間にも感染があった」との記事が掲載さ れました。この掲載の前に当委員会は、今冬の鳥 インフルエンザの発生を前に会員の皆様に、鳥イ ンフルエンザについて周知徹底していただこう と、本会顧問宛に対応策を送付いたしました。そ れと同時に各県教育委員会宛にも、書類を同封し、 お手配いただくようお願いいたしました。
  巷では、今回の新聞記事により少なからず、動 揺が見られるものと思います。 会員の先生方は、獣医師としてこの資料をご利 用いただき、近隣の学校、一般市民の方々に、こ のように対応すれば怖くないですよとご説明いた だければ有難いと思い、このニュースに対応策を 掲載させていただきました。どうぞ十分にご活用 いただきたいと思います。
  各地には、12月10日付けで次の通りの文書を送 付しました。

〈内容のみ記載〉
今年は、数々の台風や新潟中越地震等多くの自 然災害が各地でおこり、災害に直面された方、復 旧活動にたずさわれた方など、非日常的な生活を 余儀なくされた方も多かったのではないかと心配 しております。また、寒さも厳しくなり被災された 方々が、早く通常生活に戻れるよう願っております。 これから本格的な冬へと向かうわけですが、人 のインフルエンザがちらほらと話題になるように なり、学校飼育動物に対する鳥インフルエンザへ の関心もまた高まることと予想されます。前回の 鳥インフルエンザ発生時には、マスコミ等の報道 により不安をもった学校が鶏を早々に処分したと いう事例もあったと聞きます。また、このような 不幸な事例が起きないよう、今後の対応の一助と なればと思い、当委員会の対応法を下記のとおり お示しいたしますので、ご連絡申し上げます。


現在、学校で飼育されている鶏等は、鳥インフ ルエンザに罹っている可能性はありません。よっ て、現在、それらの世話をすることにより、人に 鳥インフルエンザがうつるとは考えられません。 鳥インフルエンザの感染源は、渡り鳥等の野鳥と 考えられており、学校の飼育動物が閉鎖された環 境にあり、野鳥(糞等の排泄物を含む。)と接触 する機会がなければ、病原体(鳥インフルエンザ ウィルス)を持った野鳥が日本に来る確率、その 野鳥が学校の鳥と接触する確率、そこから人に感 染する確率等を加味すると、学校の飼育動物から 人に鳥インフルエンザがうつる確率は相当低いも のと考えられます。学校関係者、保護者の方々に は、以上のような内容をご説明いただき、そして、 病気にならないように次のことに注意しましょう と、教職員や子供たちにご指導ください。

【平常時の対応】
1.健康状態の観察の徹底。(普段かかりつけの 獣医師と相談する)
2.野鳥の飼育小屋への侵入を防ぐ。(金網の隙 間、破損等のチェック)
3.衛生管理の徹底。 1日1回は必ず掃除して、糞が乾燥して舞い上 がらないようにする。糞が舞い上がるとき、ある いは飼育舎の床が土の場合の清掃は、マスク・ゴ ム手袋・ゴム長靴等を着用することが望ましい。
4.飼育舎の清掃、また接触前後の手洗い、うが いの徹底。
5.新しい動物を導入する場合は、必ず事前に獣 医師に相談し、健康な動物を選び、病気の有無 を十分観察すること。

【日本で発生が確認されたときは、以下の項目を 追加する】
6.野鳥の糞との接触を避ける。(屋根のない庭 には出さないなど)
7.飼育舎の出入りの時、オスバン、ベンザルコ ニウム液(逆性石鹸)や、ピューラックス(塩 素系消毒薬、プールで使うもの)、キッチンハイターなどをバットに入れた消毒槽や、薬剤を霧 吹きに入れてスプレーするなどして、靴の裏を消 毒する。(この時にはゴム長靴を利用すると良い)
8.プール等に鴨等の水鳥が飛来するような場合 は、その対策を講じる。 (プール等に水鳥が入らないよう工夫する。 もし入っていた場合、その水は飲用などに使わ ないなど)
9.複数の、また連続して異常な鳥(元気がない、 死んでいる鳥)を発見した場合は、鳥類に接触 せずに、近隣の学校担当の動物病院に相談する か、家畜保健衛生所に連絡する。

【県(都・道・府)内又は近隣県(都・道・府) で発生が確認されたときは、以下の項目を追加 する。】
10.日常の飼育は教師と獣医師が相談をして行う。
11.衛生部など、教育委員会、医師会、獣医師会、 その他関係者が、対策委員会を設置し対応に当 たることが望ましい。

子供たちや先生には、『鳥インフルエンザが発生 したからではなく、普段から手洗いやうがいをし、 動物から人へ、人から動物へ病気がうつらない様、 気をつけましょう」とお話いただければ幸いです。 なお、鳥インフルエンザに関するQ&Aが国立 感染症研究所感染症情報センターのHPにありま すので、参考にしてください。

<高病原性鳥インフルエンザの主な症状>
潜伏期間 3〜10日位
食欲、飲水欲の低下、羽毛逆立ちと沈鬱 顔面肉冠もしくは脚部の浮腫、 出血斑もしくはチアノーゼ 産卵の停止 呼吸器症状、ゼーゼー 下痢、神経症状  突然死 等々症状は多様である。
<参考1>
逆性石鹸は、オスバンやベンザルコニウム液など 500 の商品から業務用1 のパコマやアストップなどがあります。濃度は、100倍から200倍が手 指の消毒に推奨されているようです。また1000倍 位の噴霧で使用しても効果があるようです。
<参考2>
ピューラックスは、小学校のプールの消毒に使 用されている為、殆どの小学校が所有しており、 手軽な消毒薬と思われます。製品の裏に、使用説 明がありますので読んでください。説明書がなく なっている場合の為に次の通り。 (注)ピューラックス(次亜塩素酸ナトリウム 6%)ない場合、薬局で購入してください。水2 に対してキャップ1杯(付属のキャップの容量は 約6ccあります)これも、1000倍位でも十分効果 があるようです。
<参考3>
(注)キッチンハイター(次亜塩素酸ナトリウ ム 濃度不明記述なし)を使用する場合。 水5 に対してキャップ2杯(付属キャップの容 量は約25ccあります) 上記薬品のいずれかで、器具の消毒、長靴の消 毒をしてください。
<参考4>
床が土の場合、糞便などの消毒として消石灰を 撒くと効果があります。 詳細は、各都道府県の獣医師会及び家畜保健衛 生所でお聞きください。